バネ指は、指を曲げ伸ばしするための腱や腱を支える腱鞘（けんしょう）と呼ばれる部分に炎症が起こることで生じ、痛みや動かしづらい、引っかかるなどの症状が現れます。親指、ひとさし指、中指に起こりやすいと言われていますが、どの指にも起こりえます。

男性よりも女性に多く見られ、多くは朝起きたときに一番症状が強く、日中は軽減します。痛みで曲げづらかったり、曲がってしまった状態から元に戻らないなどの症状がよく見られますが、手指に熱を持ち腫れることもしばしば起こります。
また、症状が進行すると指の痛みからペットボトルを空けられない、お箸を持てない、髪を洗うのが困難など日常生活に支障をきたす事態になりかねません。

さらにひどくなると指を完全に伸ばすことができなくなり、手術が必要になる場合もあるので、早めの対処をお勧めいたします。
生活をする上で指は特に大切です。今、お困りの方や長くバネ指と付き合っている方はこのサイトをご覧になり、原因や対処法などご参照いただき、少しでもお役に立てれば幸いです。

ここからは原因や対処法などをご紹介していきます。

バネ指の原因の1つは使い過ぎにより起こっているもので、仕事やスポーツなどで手や指をたくさん使う方によくみられます。また、更年期の女性や妊娠出産期の女性に多く、これは女性ホルモンの変化が関係していると考えられています。

その他にも糖尿病や関節リウマチ、透析を行っている方にも多くみられますが、はっきりとした原因は未だ分かっていないようです。

バネ指による痛みや腫れは炎症によって起こっているので、まずは炎症を抑えることが必要となります。

対処①　安静にする
バネ指は動かしたり患部が当たらなければ痛みがないことがほとんどです。使い過ぎている原因がある場合は、使う頻度を減らし、痛みが出る時間を少なくしていきます。
サポーターなどで動かないようにしたり、患部を守るのも推奨されています。

対処②　冷やす
指の痛みが強い時は、湿布やアイシングなどで冷やすことで痛みを一時的に抑えることができます。アイシングでオススメしているやり方は、家庭用の冷凍庫でできる氷を使って患部を撫でるように冷やします。2～3個溶かしきるとちょうどいい具合に冷えてきます。

これらはあくまでも強い痛みや腫れに対処する方法で、炎症が治まれば動かしづらさや引っかかる感じが必ずしもなくなるわけではありません。
炎症を抑えることは大切ですが、手や指の動きに関連していると考えられる肩、背中の緊張を取ることがより重要になります。背骨が土台にあり、肩甲骨～腕～手という流れで力は伝わってくるため、土台である背中へのアプローチが特に必要と考えられます。

対処③　背中や腕の筋肉のマッサージ
腕や背中の筋肉の緊張を取ることで症状の軽減を目指します。セルフマッサージで肘から先をほぐしたり、テニスボールなどを使って背中をマッサージすると緊張がほぐれてきて指が動かしやすくなります。
また、筋肉が緊張していると全身の血流も悪くなりますのでお風呂で温まるのも良いでしょう。

ご自身での対処以外では、病院や治療院で治療を行う方法があります。

病院では、固定をしたり注射をすることで痛みや炎症を抑える治療が行われます。注射は複数回行われ、これにより痛みが軽減することも多いようですが、一定期間で再発することも多くみられます。治療でも改善しない場合や再発を繰り返す場合は腱鞘を手術で切開します。

手や指は日常でも使う頻度が多いため、どうしても改善までに時間がかかったり、繰り返す傾向にあります。
なるべく早期から治療を始めることが短期間での改善に繋がると考えられます。

当院には、薬や手術は避けたいという方や、病院に行ったもののなかなか変化が見られない方などが来院されています。
当院では鍼を使って背骨周りのツボにアプローチをしていきます。痛みがあるところや悪いところを治療すると考えてしまいますが、指や手の異常は背中や肩回りの硬さが影響していることが多く、これらにアプローチをすることで痛みや動かしづらさの軽減が期待できます。

鍼に抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、髪の毛ほどの細さの鍼を使用するので痛みはほとんどありません。初めて鍼を受けた方でも、「鍼をしていると分からなかった」というお言葉をいただいております。

バネ指は症状によっては即効性も期待できるので、あなたの助けになれたら幸いです。